冬はアトピー性皮膚炎が悪化しがちなシーズンですが、その主な原因は肌の乾燥です。冷たく乾いた空気に触れるだけで、皮膚の潤いは奪われてしまいます。
そこで今回は、アトピーに悩む方にとっては厳しいシーズンを快適に乗り切るために欠かせない保湿剤について、選び方や上手な使い方など詳しく解説しましょう。
アトピーケア|保湿剤の種類
ドラッグストアに行くと、たくさんの保湿剤が並んでいます。
アトピー性皮膚炎のケアとして保湿剤は1年中欠かせないものですが、こんなにたくさんの保湿剤が市販されていると、どれを使えばいいか悩んでしまいますね。
けれども数ある保湿剤は、「モイスチャライザー」と「エモリエント」の2種類に分けることができるのです。
水分保持ならモイスチャライザー
アトピー性皮膚炎でのスキンケアには、肌を潤すことと肌を保護することの大きなふたつの目的があります。
モイスチャライザーは、水分を保持することで肌の潤いを保つ働きをするもので、以下のような吸湿性の高い水溶性の成分(ヒューメクタント)を含んでいます。
- グリコール酸
- アミノ酸
- グリセリン
- 尿素
- ヘパリン類似物質
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- 糖類
- ビタミン類
これらの成分は水溶性で、ローションや乳液、クリームなどのような水分が多く含まれた製品に配合されています。
使用すると肌がしっとりやわらかくなるような感覚がしますが、これは保湿成分が肌の上で水分を抱き込んで保持しているからです。
水分の蒸発を防ぐエモリエント
エモリエントは、皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ働きをしている油性の成分です。
肌の表面に薄い油の膜を張って水分が逃げていくのを防ぎ、刺激から保護してくれるイメージで、ワセリンやオリーブオイルのほか、ホホバ油などがあげられます。
特にワセリンは、病院で処方される塗り薬の基材としてもよく使われているものです。
保湿剤で肌を乾燥から守るには?
ここまでみてきたように、保湿剤はそれぞれ異なった役割を持っています。つまり、役割をよく理解したうえで必要に応じて選ぶことが大切なのです。
保湿剤の働きで、皮膚本来の保湿因子を補うことができれば、アトピー性皮膚炎の辛い症状を軽減することができます。
肌本来の3大保湿因子
私たちの皮膚はとてもうすく、一番外側にある角質層の厚さは0.02mm程度しかありません。こんなに薄い皮膚で、私たちの身体は守られているのです。
もともと皮膚には、以下のような3つの保湿因子が備わっています。これらがそれぞれの働きをすることで、皮膚がバリアとして機能するのです。
- 皮脂膜
- 天然保湿因子(NMF)
- 細胞間皮質
皮脂膜は皮脂と汗などが混じった、弱酸性の乳化物です。皮膚の表面が皮脂膜で覆われることで、水分の蒸散や雑菌の繁殖が抑えられ、外部からの物理的な刺激を和らげることができます。
天然保湿因子(NMF・Natural Moisturizing Factor)は、主にアミノ酸からなるものです。角質細胞に含まれており、皮膚の内部にある水分を角質細胞内に取り込む働きをしています。
そして細胞間脂質は、角質細胞の間にある脂質で、主にセラミドからなるものです。天然保湿因子が取り込んだ水分を逃さない働きをしています。
モイスチャライザーはNMFと細胞間皮質の働きを代替
モイスチャライザーは、天然保湿因子(NMF)と細胞間皮質の働きを受け持ちます。
先に紹介したように、モイスチャライザーは、配合された吸湿性の高い成分によって、水分を取り込み角質内に閉じ込めているのです。
つまり、モイスチャライザーは乾いた皮膚を潤すことによって、アトピー性皮膚炎の炎症をケアしています。
エモリエントは皮脂膜の働きを代替
エモリエントは、皮脂膜の働きを受け持ちます。エモリエントに含まれる油脂が、肌の表面に薄い膜を張って水分の蒸発を抑え、外からの刺激を和らげることで、皮膚を守ってくれているのです。
エモリエントは、皮脂が少なくて荒れてしまった皮膚に人工の皮脂を補うことで、アトピー性皮膚炎の炎症をケアしています。
アトピーケア|保湿剤の選び方と使い方
モイスチャライザーやエモリエントは、本来皮膚が持っていた機能の代替品といえます。つまり、ご自身の皮膚の状態に合わせ、足りない部分を補う使い方が正解です。
アトピー性皮膚炎は水分・油分ともに足りない
アトピー性皮膚炎では、肌の水分と皮脂の両方とも足りなくなっていることが多く見られます。
したがって、最初にモイスチャライザーで肌に水分を補ってから、エモリエントで肌をカバーするのがベストです。
モイスチャライザーは心持ち多めに使うとよいでしょう。特にローションタイプのモイスチャライザーをお使いの方は、使用量が足りない傾向が見られます。
使い方は一度にたっぷりつけようとするのではなく、少量ずつ重ねづけすることをおすすめします。
エモリエントはつけすぎに注意
エモリエントは、つけすぎに注意してください。エモリエントをたくさんつけすぎると、ホコリや花粉などが付きやすくなるからです。
つけるときには手のひらに広げて温めて柔らかくしてから、ゴシゴシすり込むのではなくそっと肌を押さえるようしてつけると、刺激を与えずにすみます。
なお保湿剤には、一品でモイスチャライザーとエモリエントの両方の働きをするオールインワンタイプのものもあります。
保湿剤を上手に使って冬を乗り切ろう
保湿剤の違いや使い方をよく知って上手に使いこなせば、肌を健やかな状態に近づけていくことができます。
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これらの成分が、皮膚細胞に直接働きかける事で、肌細胞が元気になっていくのです。そして肌のターンオーバーが活発になり、自ら保湿する力が回復していきます。
その結果、痒み物質を弾くバリアが正常に働きアトピーの改善につながっていくのです。
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